新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発症後の心肺機能の経過について、
オーストリアから多施設観察研究の報告です。
対象は145例のCOVID-19、主に発症100日目の経過を評価しています。
結果は以下の通りです。
<発症100日目の症状>
- 症状がある患者は全体の41%
- 主な症状は、呼吸困難、咳嗽、睡眠障害など
<発症100日目の胸部CT検査>
- 何らかの異常所見を認めた患者は全体の63%
- すりガラス影や網状影が主体
<発症100日目の肺機能>
- 肺機能障害がある患者は全体の36%
- 拘束性障害(努力肺活量(FVC)<80%)は全体の22%
- 閉塞性障害(一秒量/FVC<70%)は全体の8%
- 拡散能障害(DLCO<80%)は全体の11%
<発症100日目の心機能>
- 心機能障害はごく少数
- 心エコー検査で左室駆出率低下は3%
重要な点として、発症後60日、100日で経時的な変化をみた際に、症状、CT所見、肺機能はいずれも改善傾向でした。
また、COVID-19発症前の症状や心肺機能は不明であり、すべてがCOVID-19による変化かどうかは不明である点は注意が必要です。