ニンテダニブの臨床試験③「TOMORROW試験とINPULSIS試験の統合解析」

ニンテダニブ(商品名:オフェブ)は臨床試験の結果をうけて、2015年から特発性肺線維症での使用が可能となりました。

 

それがTOMORROW試験INPULSIS試験ですが、これら両試験を統合解析した結果が2016年に報告されています。

Richeldi L, et al. Nintedanib in patients with idiopathic pulmonary fibrosis: Combined evidence from the TOMORROW and INPULSIS(®) trials. Respir Med 2016;113:74–9.

 

この両試験を統合解析した結果、52週時点での年間努力肺活量(FVC)の変化は、

  • ニンテダニブ群:-112.4ml
  • プラセボ群:-223.3ml

であり、年間のFVC低下を約110.9ml程度減少しました。

f:id:fibrosis:20210601204435p:plain

(図. 年間のFVC低下の比較。文献より引用掲載)

 

さらに

  • 急性増悪の頻度の低下(ハザード比0.53)
  • QOL低下の抑制(オフェブ群+2.92 vs ピレスパ群+4.97)

の効果が期待されています。

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