ニンテダニブ(商品名:オフェブ)は臨床試験の結果をうけて、2015年から特発性肺線維症での使用が可能となりました。それがTOMORROW試験とINPULSIS試験です。
②INPULSIS試験
INPULSIS試験は、40歳以上の特発性肺線維症の患者さんを対象とした試験で、INPULSIS-1試験とINPULSIS-2試験からなり、52週後の努力肺活量(FVC)の低下率を比較した試験です。
INPULSIS試験の結果
ニンテダニブ群は、プラセボ群と比較してFVC低下を有意に抑制しました。
- INPULSIS-1試験
- ニンテダニブ群:FVCは年間114.7ml低下
- プラセボ群:FVCは年間239.9ml低下
- INPULSIS-2試験
- ニンテダニブ群:FVCは年間113.6ml低下
- プラセボ群:FVCは年間207.3ml低下
特発性肺線維症(IPF)では、自然経過で年間200~240ml程度FVCが低下するところを、ニンテダニブにより年間110~120程度の低下に抑制する。つまり、ニンテダニブにより進行を半分程度に抑える効果が期待されます。