画像NSIPパターンでも約40%は病理UIPパターン

間質性肺炎の代表的な画像所見はUIP(通常型間質性肺炎)パターンNSIP(非特異性間質性肺炎)パターンですが、この両者の鑑別は決して容易ではありません。

Sumikawa H, et al. Pathologically proved nonspecific interstitial pneumonia: CT pattern analysis as compared with usual interstitial pneumonia CT pattern. Radiology 2014;272:549–56. 

 

一言解説

間質性肺炎の画像所見でNSIPパターンを呈しても、約40%は病理所見でUIPパターンを呈することがあり注意を要する。

 

 

 

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

目的

病理学的に診断された非特異性間質性肺炎(NSIP)患者における胸部CT所見を評価し、病理診断や予測死亡率などの特発性肺線維症(IPF)分類ガイドラインとCTパターンの相関を検討すること。

 

方法

本研究では、

(a)病理診断で特発性NSIP(n=39)または

(b)病理診断で通常の間質性肺炎(UIP)のIPF(n=75)

と診断された114人の患者を対象とした。

独立した2つの観察者グループが、さまざまなCT所見の範囲と分布を評価し、5つのパターンを特定した。

  • UIP、possible UIP、indeterminate(UIPまたはNSIPのいずれか)、NSIP、alternative diagnosisを示唆の5つのパターンを確認した。

CT所見と病理診断および臨床所見からの転帰をlog-rank検定およびKaplan-Meier曲線を用いて比較した。

 

結果

全体では放射線医は17例をUIP、24例をpossible UIP、13例をindeterminate(UIPまたはNSIPのいずれか)、56例をNSIPと分類した。

 

光る電球のイラスト

病理学的なUIPの75例

→画像読影:UIP 16、possible UIP 23、UIPorNSIP 12、NSIP 21、alternative 3

病理学的なNSIPの39例

→画像読影:UIP 1、possible UIP 1、UIPorNSIP 1、NSIP 35、alternative 1

 

  • CTのUIP、possible UIP、indeterminate、NSIPの患者の平均全生存期間は、それぞれ33.5、73.0、101.0、140.2カ月であった。
  • CTでUIPと診断された患者の転帰は、possible UIP、indeterminate、またはNSIPのパターンを持つ患者の転帰より有意に悪かった(ログランク検定:それぞれP = .013、P = .018、P < .001)。

 

<まとめ>

画像NSIPパターンと診断した56例うち、病理UIPパターンであったのは21例(38%)であった。

 

 

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(最終アップデート:2022年05月14日)

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