専門家でも画像UIPパターンの一致度は0.5

f:id:fibrosis:20220324003516p:plain

 

特発性肺線維症(IPF)の特徴的な胸部CT所見は通常型間質性肺炎(UIP)パターンですが、この読影は容易ではなく、極めて高い専門性が求められます。

f:id:fibrosis:20210519215650p:plain

特発性肺線維症患者のUIPパターン。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26585524/より引用掲載)

 

 

2016年に報告された報告では、画像のUIPパターンを放射線科医が読影した場合の一致率は、

  • 経験年数10年未満の放射線科医
  • 経験年数10-20年の放射線科医
  • 経験年数20年以上の放射線科医

のいずれの群もカッパ係数はおよそ0.5程度でした。

Walsh SLF, Calandriello L, Sverzellati N, Wells AU, Hansell DM, UIP Observer Consort. Interobserver agreement for the ATS/ERS/JRS/ALAT criteria for a UIP pattern on CT. Thorax 2016;71:45–51.

 

 

カッパ係数とは、診断の一致度を評価する指標です。

0~1の値をとり、値が大きいほど一致度が高いことになります。

  • 0.0-0.4 poor
  • 0.4-0.6 moderate
  • 0.6-0.8 good
  • 0.8-1.0 excellent

が目安です。

 

 

0.5は中等度ということになり、放射線科医でもUIPパターンの読影は決して一致度が高いわけではありません。それだけ難しく、高い専門性が求められる所見です。

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へランキングに参加しています、よければクリックお願いします

(最終アップデート:2022年03月24日)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!