2021年4月23日に、
新型コロナウイルスに対する新たな治療薬として、
バリシチニブ(オルミエント🄬)が本邦で承認されました。
レムデシビル、デキサメサゾンに続く第3種類目の薬剤です。
JAK阻害薬という炎症や免疫の反応を特異的に抑える薬剤であり、
これまでは関節リウマチなどに使用されてきました。
1回1錠(4mg)を最大14日間内服します。
薬価は1錠当たり約5300円です。
今回、根拠となったのが
ACTT-2試験です。
肺炎像あり、室内気でSpO2 94%以下、酸素投与あり、人工呼吸器管理やECMO使用を要する、のいずれかを満たす患者を対象とした試験で、
結果は、
レムデシビル+バリシチニブ併用群は、レムデシビル単剤群に比較して、
有意に回復までの期間を短縮しました(併用群 7日 vs 単剤群 8日)。
さらにその他結果として、
- 高流量酸素や非侵襲的呼吸管理を受けている患者では、回復までの期間を8日間短縮(併用群 10日 vs 単剤群 18日)
- 28日時点の死亡率を低下(併用群 5.1% vs 単剤群 7.8%)
しています。
現在COVID-19の感染が再度拡大しつつありますが、
新たな治療薬に期待しつつ、
引き続き最大限の感染予防に努める必要があります。