間質性肺炎の代表的な疾患に特発性肺線維症(IPF)がありますが、まだ根本的な治療法は見つかっておらず、予後不良な疾患です。現在、IPFの治療薬には2種類の抗線維化薬がありますが、いずれも進行のスピードを抑える効果が期待されるにとどまります。
しかし、今回、IPFの新たな治療薬の候補となり得るホスホジエラスターゼ4B阻害剤の第2相試験の結果が報告されました。
12週時点の努力肺活量(FVC)の変化は、
- 抗線維化薬を使用していない患者では、プラセボ群で -81.7mlであったのに対し、ホスホジエラスターゼ4B阻害剤はなんと +5.7mlという結果でした。
- さらに抗線維化薬を使用している患者でも、プラセボ群で -59.2mlであったのに対し、ホスホジエラスターゼ4B阻害剤はなんと +2.7mlという結果です。
12週までという短期間の効果である点やまだ第2相試験ですので、過剰に期待しすぎることはありませんが、少なくともこれまでIPFや進行性に線維化が進行する間質性肺炎に対して治療薬が限られている状況からすると、このホスホジエラスターゼ4B阻害剤の第3相試験の結果が期待されます。