重症喘息に対するdepemokimab(SWIFT-1試験、SWIFT-2試験)

喘息で最も重要な治療は吸入ステロイドですが、吸入薬などの治療を行っても良好なコントロールを得ることが難しい喘息があります。その際に選択肢となるのが生物学的製剤です。

現在、生物学的製剤には以下の5種類が使用されています。

抗IgE抗体:オマリズマブ(ゾレア®)
抗IL-5抗体:メポリズマブ(ヌーカラ®)
抗IL-5受容体抗体:ベンラリズマブ(ファセンラ®)
抗IL-4/13受容体抗体:デュピルマブ(デュピクセント®)
抗TSLP抗体:テゼペルマブ(テゼスパイア®)

これら生物学的製剤は重症喘息の方に対する治療の重要な選択肢の一つですが、注射薬であるため注射による身体的負担が大きく、医療費が高額であり、薬剤によって2週間から2か月での投与が必要となります。

今回、IL-5をターゲットにしたdepemokimabがSWIFT-1およびSWIFT-2試験の両試験において、主要評価項目である52週間の臨床的に重要な増悪(喘息発作)の年換算発現率の減少を達成したことが報告され、N Engl J Medに掲載されました。

参考https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20240603-gsk-announces-positive-results-from-phase-iii-severe-asthma-trials-of-depemokimab/https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2406673?query=pulmonary

重要なことはdepemokimabの投与間隔は6か月に1回である点です。今後日本で保険適応となった場合には、注射による身体的負担の軽減や医療費自己負担の軽減が期待されます。

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