TBLCは異なる部位から複数回採取がよい

クライオバイオプシー(TBLC、経気管支肺凍結生検)について約700例の経験をまとめた研究がイタリアから報告されています。

Ravaglia C, Wells AU, Tomassetti S, Gurioli C, Gurioli C, Dubini A, et al. Diagnostic yield and risk/benefit analysis of trans-bronchial lung cryobiopsy in diffuse parenchymal lung diseases: a large cohort of 699 patients. BMC Pulm Med 2019;19:16.

 

一言解説

クライオ(経気管支肺凍結生検)は異なる部位から複数個所の病変採取を行うと診断率が向上する可能性があるが、イタリアからの報告では約20%に気胸が合併する

 

 

 

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

びまん性肺疾患(ILD)におけるクライオバイオプシー(TBLC、経気管支肺凍結生検)の標準化が迫っている。しかし、TBLCに関して発表されている多くの文献は、患者数が限られており、手技の技術にいくつかの相違があることが特徴である。

目的:ILD患者の診断におけるTBLCに関するサンプリング戦略を提案すること。

 

方法

本研究は観察的、後方視的コホート研究である。

(図. TBLCのストラテジー結果。文献より引用掲載)

 

結果

ILDが疑われる699名の患者を対象とした。

614/699例(87.8%)で特異的な病理診断が得られ、630/699例(90.1%)で集学的な診断が得られた。

  • 診断は、採取したサンプルの数に大きく影響された。
  • 60.4%の症例では1つの部位から、39.6%の症例では異なる部位(同じ葉または異なる2つの葉)から生検を行い、特に線維化性肺疾患の症例で診断率が有意に上昇した(65.5% vs 93.4%,p<0.0001 )
  • 2.4mmまたは1.9mmのプローブが使用されたが、プローブの大きさで診断率に差はなかった

 

安全性に関しては、気胸は19.2%に発生し、ベースラインの肺機能に影響された。全例でFogartyバルーンが使用され、0.7%に重度の出血が発生した。また、術後30日以内に死亡した症例は3例(0.4%)であった。

(図. TBLCの合併症。文献より引用掲載)

 

 

 

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