間質性肺炎では急性増悪という急性の経過で息苦しさが悪化する病態が存在します。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が、間質性肺炎の急性増悪に与えた影響について調査した研究が報告されました。
Kondoh Y, et al. COVID-19 and acute exacerbation of interstitial lung disease. Respir Investig 2021;59:675–8.
COVID-19が流行しだした2000年1月から4月の4か月間に、急性増悪で入院した患者数をオンラインで調査しています。
日本の134の病院から回答があり、合計854例の急性増悪の患者が128の病院に入院していました。
2019年の同時期(1月から4月)では、894例の急性増悪の患者が入院しており、全体としては2019年と比べて4か月間で27例多い結果でした。病院別では、急性増悪で入院した患者が、
- 増えたのが17病院(13%)
- 減ったのが27病院(20%)
- 変わらなかったのが88病院(67%)
という結果です。
さらに、COVID-19が誘因となって急性増悪を起こしたと考えられたのは、854例中12例であり、全体の1.4%でした。
また、急性増悪発症後の30日死亡、90日死亡率は以下の通りであり、COVID-19が誘因となって急性増悪を発症した患者は有意に予後不良であったようです。
COVID-19に関連した急性増悪の予後は悪く、やはり間質性肺炎の患者ではより一層の感染予防が重要です。