ANCA関連血管炎の一つである顕微鏡的多発血管炎(MPA; microscopic polyangiitis)では、予後不良な間質性肺炎を合併することが報告されていますが、日本から2021年にCHEST誌に、間質性肺炎合併のMPAの急性増悪についての検討が報告されました。
*急性増悪は日本から初めて報告されたとても重要な合併症です、以下の記事からぜひ急性増悪についてご覧いただけたら嬉しく思います。
急性増悪、間質性肺炎の合併症 | 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
間質性肺炎の合併症の中でも特に注意しなければならないのは急性増悪です。1か月以内の経過で急激に息切れや咳が悪化するとても怖い合併症です。以下に急性増悪に関する一…
結果
MPA-ILD(84例)とMPA-non-ILD(95例)の生存曲線を比較すると、MPAのうちで、ILDの合併例は予後不良な経過をたどる。
MPA-ILDとIPF(ANCA陰性)の急性増悪の累積発生頻度を比較すると、急性増悪の発症率はほぼ同等であった。
- <用語>MPA; 顕微鏡的多発血管炎、ILD; 間質性肺炎、IPF; 特発性肺線維症
<まとめ>
間質性肺炎を合併するMPAは予後不良であり、特にIPFと同等の急性増悪の危険性がある。